ノロウイルスと免疫の話

ノロウイルスによる感染症を発症した人が無事回復した場合、当然ながらその人の体内ではそれまで感染していたウイルスに対する抗体を作り出して、その免疫によってその後も次なる再感染の危険に備えようとします。

ただ、ノロウイルスの場合は一度感染した経験があるからといって、その後は免疫による防衛が出来るかというと、どうもそう簡単には安心出来ない事情があるようです。

せっかくの免疫も長続きしない?

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当初のノロウイルスの猛攻をなんとかしのぎきり、その後体内で作られた対ノロウイルス免疫の活躍によりウイルス達が体内から駆逐された結果、私達の体は元の健康を取り戻す事が出来ます。
ですが、この時せっかく作る事が出来たノロウイルスへの免疫はどうも持続期間が短い傾向があるようです。

これはノロウイルス自体が人体の限られた箇所(小腸の腸壁部分)でのみ感染・増殖し、潜伏期間も比較的短いという「局所感染」と呼ばれる生態を持っている事に起因しています。

こういった局所感染タイプのウイルスの感染症に対する免疫は持続期間が短いという性質がある為、一般的には数ヶ月~1年間程度でせっかく獲得した免疫が消失してしまう傾向にあるそうです。

ノロウイルスの多種多様な『型』のせいで免疫が役立たずに?

人体でノロウイルスに対する抗体が作られた場合、その免疫はあくまでも1度感染した事のある『型』に合わせたものとなっています。

ですがノロウイルスは様々な遺伝子型を持つ種類が存在しており、時期によって流行する型も様変わりしてきてしまう為、残念ながら一度ノロウイルスの免疫を獲得したからといっても、それが役に立たないケースの方が多いとされています。

まだまだ謎が多いノロウイルスの免疫

ノロウイルスは現代の技術では培養出来ないウイルスである為、その生態を研究する事が大変難しいとされています。

そういった事情もあって未だノロウイルスと免疫の関係については解明されておらず不明点が多いのですが、今回ご案内させて頂いたような幾つかの事情から判断するに、少なくともノロウイルスの予防に対しては免疫はあまりアテにならないと考えられますので、それに頼らない形での予防策を心掛けていきたいものですね!

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