ノロウイルスによる死亡者数

冬場をピークとして毎年大量の感染事例が発生し、食中毒カテゴリの中における発生件数においても常にトップにランクインする事の多いノロウイルス感染症ですが、今回は実際にノロウイルスを原因とする疾患によって死亡に至った事例の有無についてご紹介します。

国内のノロウイルス感染症由来による死亡者数は稀

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過去のノロウイルス感染症の発症事例
(厚生労働省 平成16~26年の間の事例)

日本国内においては毎年感染事例自体は頻繁に発生しているのですが、その事例の発生件数の多さとは裏腹に、厚生労働省の統計では平成16~平成26年間のノロウイルスを原因とした死亡例はかなり少ないのが実情のようです。(その数少ない死亡例にしても抵抗力の弱い子供や年配の方に限られています)

これは、ある程度抵抗力のある大人であれば、感染症を発症した場合であっても適切な処置さえ間違わなければ命の危険にまで関わるような事態にまでは進展しにくいとも言えるのではないでしょうか?(とはいえ国が把握していないだけで、実際は国内においても近年の死亡例が幾つか発生しているのかもしれませんが…)

実際にあった死亡例

ここ数年内に日本国内で実際に発生した、ノロウイルスをきっかけとする死亡例としては以下のようなものがあるようです。

院内感染での年配の方の死亡例

宮崎でノロウイルス集団感染、6人死亡
2012/12/23 日本経済新聞

2012年12月、宮崎県の病院にて複数の入院患者にてノロウイルスの集団感染が発生し、その内の6人の患者の方が発症から2日間の間に亡くなられました。
お亡くなりになられた方々はいずれも高齢で長年問題の病院に入院しており、ずっと寝たきりの状態が続いておられた方だったそうで、実際の死因もノロウイルスによる嘔吐時の吐瀉物を喉に詰めてしまった事によるものとされています。

院内感染で子供の死亡例

ノロ感染か10歳女児死亡 神戸の病院入院中
2015/12/18 神戸新聞

2015年12月、兵庫県の病院に以前から持病の治療の為に入院していた10歳の子供が、入院中に院内で他の入院患者から伝染したノロウイルスに感染した結果、症状が発生して2日間の間に急性の敗血症性ショックを引き起こして死亡したと報じられました。

亡くなられたお子さんは長年の持病によって免疫力が極端に低下していたそうで、その為にノロウイルスに体が抵抗出来ず急速に重体化してしまわれた事が死因と考えられています。

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