ノロウイルスに感染したら出勤してはダメ?感染期間と完治の判断基準

ノロウイルスはなんといっても感染力の非常に強いタチの悪いウイルスですので、周囲への二次感染のリスクには常に注意を払う必要がありますが、ノロウイルス感染症を発症してしまわれた方がその辛い症状を耐え切ってようやく日常生活に戻れるまでに回復された後、それまで休んでいた職場や学校へ復帰する事になった際に私達が気をつけるべき点についてご紹介させて頂きます。

回復後もまだまだ腸内にはウイルスが…

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ノロウイルスを罹患された方が回復して職場や学校へ再び通う事を考えた際に最も注意を払わねばならない点は、一見健康に回復したかに見える自分自身の体内に未だ持って潜伏し続けている多数のノロウイルスが感染源となって職場や学校における二次感染を引き起こしてしまわないか、という事です。

ノロウイルス感染症においては例え罹患者の体調が回復したとしても、実際は体内にまだまだ多数のノロウイルスが潜伏し、排便によって体外へと排出され続ける状態がその後も1週間程(長い人の場合だと1ヶ月間)は続くとされています。

回復後しばらくは出勤・通学を控えるのがベスト

療養の為に職場を欠勤していた方の場合は片付けなければならない仕事が沢山溜まっている為、回復後はすぐにでも復帰したいと考える方が多いかと思いますが、前述のようにノロウイルスは体調回復後もしばらくの期間は自身の体内から外へと排出される状態が続いてしまいます。

当然、そうなると日常生活の中で貴方自身が排出したウイルスが自分の手に付着してしまう可能性は十分に有り得ると考えられますが、職場では貴方の手が触れるものを他の社員の方々も共有する機会は多いでしょうし、トイレ等でも便座を共有する事になりますので、回復したからといって迂闊に職場へと復帰してしまうと、場合によっては職場の方々に二次感染のリスクを与えてしまいかねないのです。

また、回復後に間を置かず職場に復帰する事は他の方からの心証もあまり良いものとは言えません。
仮にもし貴方が復帰後にすぐ他の社員がノロウイルス感染症を発症してしまった時、貴方が感染源だと疑われてしまう事にもなりかねませんので、ここはやはり出来れば回復後も数日間は自宅で様子見しておく事が望ましいと思われます。

回復した後は家の中を殺菌・清掃

ノロウイルスは自身に感染した人を媒介として、とかくその人の行動範囲内に己を積極的にバラ撒きたがる生態を持っていますので、ノロウイルス感染症の発症中及び回復後は家の中の至る所に体の中から排出されたノロウイルス達が蔓延している可能性があります。

ですので回復後にそれら家中に潜むノロウイルス達が何かの拍子に貴方の手や衣服等に付着してしまった場合、そのままの状態で出勤してしまうとウイルスまでもを職場内に持ち込んでしまう事になります。

罹患者自身は既にその時感染していたウイルスの型に対しての短期的な免疫が出来た為に平気であっても、他の方は当然ながらそうではありませんので、「健康保菌者」として周囲への二次感染を引き起こしてしまわない為にも、回復後はまず家の中に残ったノロウイルス達の退治に乗り出して、トイレ周り、自室のベッド、お風呂や各部屋のドアノブ等をしっかりと殺菌していきましょう!

復帰のタイミングは周囲に相談して決める

体調が回復した後に職場や学校に復帰するタイミングについては、一般的には罹患されたご本人の自己判断に頼っているのが現状です。
ただ、事は自分自身の事情だけに留まらない問題でもありますので、ノロウイルス症状から回復された方は出勤や通学を再開するタイミングを自己判断のみで決めるのではなく、可能であれば一度職場や学校側に相談されるのが望ましいでしょう。

特に多数の人々が口にするような食品を製造している食品製造業に勤めておられる方の場合は業務上の安全性を保障する為にも、職場とも相談の上で可能であれば医療機関での検査を受け、二次感染の恐れが無いか確認して貰うのが望ましいと考えられます。

検査方法によっては結果への信頼性の問題も…

ノロウイルスの検査は検査方法によっては一般の病院で比較的安価な費用で受けられる場合もありますが、この場合はあまり検査結果の精度が高くないという問題があるようです。

また、高い信頼性を誇る検査方法の場合は費用もそれなりに割高であり、また相応の検査設備の整った専門の研究機関や行政機関でなければ対応出来ないという取っ付きにくさがあります。

ですが食品製造業等に従事する方の場合は検査結果にも万全を期したい所ではあるかと思いますので、念入りに二次感染対策を行いたい場合は上司の方とも相談の上で是非こうした専門的な精度の高い検査を受け付けてくれる医療機関を利用したいものです。

復帰後しばらくは手洗いの徹底を

ともあれ二次感染被害を防ぐ上での注意点を書かせて頂いた訳なのですが、罹患者が回復した後は発症中のように激しい下痢や嘔吐によって周囲にノロウイルスを拡散させ易い状態ではもう無くなった訳ですので職場や学校に復帰した方は主に手を介した二次感染に気をつけるようにし、復帰後しばらくの間は手の洗浄を念入りに行うようにすれば周囲への感染のリスクはかなり減らす事が出来ると思われますので、気をつけるべき点さえ抑えておけば安心してまた再び普段の生活に戻って頂けるかと思います。

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