毎年、冬場になると私達の健康を脅かしに現れるノロウイルスですが、このノロウイルスは医学的な研究を行う事が難しいという大変に厄介な特性を備えているが為に、特効薬となるワクチンが未だに開発出来ていなかったりします。
ワクチンが作れない理由
と言いますのも、ノロウイルスの研究を行うにあたっては問題のノロウイルスを研究者が安定して任意に培養出来る環境が必要となってくるのですが、このノロウイルスは生きている人体の消化器官にしか感染しない為に動物実験が行えず、また、増殖の際の苗床となりうる細胞が何であるかという事も解明出来ていない為、研究の為に培養する事が出来ないという問題がありまして、その為にワクチン等の特効薬を作り出す事が現代のテクノロジーでは難しいとされているのです。
ノロウイルスのこうした難儀な性質を見てみますと、まるで己が人の手によって研究され対処法を解明されてしまう事をノロウイルス自身が防ごうとしているかのように思えてきますね…。
その対人類文明に特化したとも言える用意周到な生態を知れば知る程、彼らはある意味非常に狡猾な知能犯なのではないかと錯覚すらしてしまいます。
一度付いた免疫もあまり効果が無い事も
一度ノロウイルス症状を発症した後に回復した方の場合、その体内では免疫が作られる事があるのですが、ノロウイルスには色んな種類の型が存在しており新型も現れる事が多い為、一度感染した事のある型の免疫が通用しないケースが多々あると言われています。
また、人間の消化器官の免疫系自体がウイルス等の感染に対しては比較的弱く感染を完全に防ぎきれない傾向があり、更になんとも納得の行かない事にせっかく身に付けた免疫自体も半年~1年程度という比較的短い期間の間に失われてしまうとされています。
こういったなんとも心許ない免疫事情がある為に、私達は一生の内に何度でもノロウイルスに感染してしまう危険性があると言えます。
ワクチンに頼らない対処法を
ノロウイルスへの医学的に有効な対処法が未だ確立されていない現状においては、結局の所は下記記事でもご紹介させて頂いているような私達が今出来る範囲の対策を実践する等して、普段から少しでも感染のリスクを減らせるようにしていく事がノロウイルスに対して出来る最大の対処法であると言えるでしょう。