気温が下がり空気が乾燥してくる冬場は、ノロウイルスが猛威を振るう時期です。 ノロウイルスは感染力が非常に強く、感染してしまうと重篤な症状を発症してしまう非常に危険なもの。 本記事ではそんな非常に厄介な存在であるノロウイルスの感染のリスクを少しでも減らす為の代表的な対策のひとつである手洗い方法についてご紹介します。
入念に手を洗おう!
ノロウイルスの感染経路として特に多いのが、ウイルスがくっついてしまった手指で食品や調理器具に触れ、そこを感染経路として汚染された食品や料理を食べた事で経口感染してしまうパターンです。
これを防ぐ為、食事や調理を行う際は手指を念入りに洗浄する必要があります。 その際に気をつけたいのが、普段皆さんが行っているような普通の手洗いの仕方ではノロウイルスに対しては不十分であるという点です。
ノロウイルスは非常に小さいサイズのウイルスの為、一旦手指にくっついてしまうと、例え石鹸を用いたとしても普段の洗い方ではなかなか除去する事が難しく、手洗い後もしぶとく手指に残り続ける傾向があります。
ですので、手洗いの際は以下の点に注意しながら洗うようにする事が望ましいとされています。
指先を念入りに洗う
手洗い時に最も洗い方が不十分な箇所になりやすいのは指先であると言われていますが、指先にはツメと指の間という、ウイルスが潜むのに格好の隙間があり、なおかつ指先は最も食品や調理器具が触れる箇所ですので、ここは最優先で念入りに洗浄するよう心がけて下さい。
手の甲も十分に洗う
指先と並んで洗いが不十分になりがちなのが手の甲側とされています。 例え手のひら側の洗浄が十分であったとしても、手の甲側にノロウイルスが沢山残ってしまっていてはノロウイルス対策は万全とは言えませんので、ここもしっかりと洗浄しておきたい箇所です。
親指を全体的にしっかりと洗う
意外と見落としがちなのが親指。 手をスリスリとこすりあわせるだけで済ませるような手洗いの場合、親指は殆ど洗浄されないままになってしまいますので、対ノロウイルス手洗いにおいてはここも入念に親指を捻るように洗っていきましょう。
手首も洗う
ノロウイルスは手指だけでなく、それらに近い位置にある手首にも容赦なくくっついてきますので、ここも面倒臭がらずにしっかりと洗って下さい。
キレイなタオルを使う
せっかく手をキレイにしたのに、仕上げの水拭きに使うタオルにべっとりとノロウイルスが潜伏していては台無しです。何度も使ったタオルをそのまま使い続けたりせず、冬場の時期だけでも良いので出来るだけ清潔なタオルに頻繁に交換するようにしましょう。
手の荒れをケアする
ノロウイルスは非常に小さい存在ですので、手指があれて角質が荒れてくるとそのヒビ割れの中に潜んでしまったウイルスは手洗いでもなかなか落としにくくなってしまいますので、乾燥する冬場はこういったスキンケアに気を使う事も望ましいと思われます。
食品を取り扱う業界では「衛生的手洗い」という洗い方も
また、食品を取り扱う業種等では、ノロウイルス対策において万全を期す為には上記のような手洗いだけではまだ不十分であると考え、更に念入りな洗浄効果を期待した「衛生的手洗い」という洗い方を導入しているケースがあります。
この「衛生的手洗い」の一般的な例としては、通常は1回で終わる手洗い(もちろん入念に行う洗い方である事が前提)の工程を2度繰り返し、その上で他の人が使ったものではなく自分用の清潔なタオルを用意して水気を拭いた後に手指をアルコールスプレー等で消毒するといった、非常に念入りな過程を踏む事等が求められます。
聞いただけでも気が滅入るような面倒な手洗いの工程ではありますが、例えば惣菜やお弁当等を作って販売する業種において、サラダ等のように最終的な加熱調理の工程が発生せず、手指が食材に直に触れてしまうような形で作られた食品を取り扱う場合は、ノロウイルスの格好の侵入経路として狙われ易い事が懸念される為、感染リスクを極力減らせるようにする為にも特にこのような徹底した衛生管理が必要になってくるのです。
また、こうした洗い方は一般家庭におけるノロウイルス対策としても有効ですので、特にご家族に既にノロウイルスに感染してしまわれた方がいらっしゃる場合等は、感染拡大予防の為にも是非取り入れていきたい所です。
手洗いにしぶとく耐えるノロウイルス
手洗いによる対策ひとつとってもこれだけ念入りに行わなければならない程、ノロウイルスの感染を防ぐ事は一筋縄ではいかないのが辛い所なのです。
しかし、こうしたノロウイルスの手洗いに対するしぶとい耐性を改めて見返してみますと、ノロウイルスなりの知性と言いますか、まるで人間だけが手洗いの習慣を持っているのをノロウイルスが知っていて、是が非でも感染したいが為にこうした人間の洗浄習慣に対して意図的に耐性を備えたかに思える所が怖いですね。
ノロウイルスはあらゆる経路を辿って人体に入り込もうと画策する非常に厄介で対応の難しいウイルスです。
その為、私達が取るべき対策も手洗いだけに留まらず多種多様な対策が必要とされるのですが、そちらについてはまた別の記事にて今後ご紹介させて頂くように出来ればと思います。